ジャッキアップポイント(ガレージジャッキ&リジットラックの位置)
DIYで、タイヤ交換や、足回りの整備をしようとすると、当然ながら、ジャッキアップして、タイヤを外す作業が必要となります。
デリカの車重は、およそ2トンあります。ある程度の基本的な知識と、安全を確保できる道具を使用しないと、万が一のときは、大惨事となります。
2〜3トンを支えるのに十分な、ジャッキと、リジットラック(ウマ)を用意しましょう。
尚、デリカのようなクロカン4WD車では、車高が高いことから、乗用車用のジャッキやウマでは、高さが不足することもあります。
私の経験上、ジャッキは500ミリ以上の高さまで上げることが可能なもの、ウマは、400ミリ以上の高さがあるものが欲しいところです。
それと、結構おろそかにしやすいものに、輪止め。先述のように、デリカの車重は、普通乗用車よりも重たいため、強度のない折りたたみ式の輪止めでは、使用後に歪んでしまっていて、再使用不可となってしまう場合もありますから、要注意です。
下の図は、メーカー発行の整備書から画像をスキャンしました。
ジャッキアップするときの注意点
(1)可能な限り、平らな場所でジャッキアップします。傾斜が急なところでのジャッキアップは、大変に危険です。
(2)フロアジャッキ(ガレージジャッキ)使用時は、必ず、舗装された平らな場所(強固な地面で、ジャッキの車輪が容易にまわることの出来る場所)で使用します。アームが上がると、支持点の位置が変化するため、ジャッキ本体がスライドする必要があります。
※やむをえない状況で、未舗装の地面で使用する場合は、厚い鋼板などを下に敷いた上、安全を確保して作業する必要があります。
(3)ジャッキアップしないタイヤには、必ず輪止めを使用します。
(4)ジャッキアップした車の下にもぐることは危険です。必ず、リジットラック(ウマ)を使用すること。
輪止め
ジャッキアップするタイヤと反対側のタイヤに(前輪をジャッキアップする場合は後輪に)輪止めを噛ませてから作業します。
特に、後輪をジャッキアップする場合には、サイドブレーキを掛けていても、ブレーキは前輪には効いていませんから、要注意です。
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ジャッキアップする前に
ホイールナットを緩めておく
ホイールナットは、硬く締まっていて、容易に緩まない場合があります。緩まないときには、大きなトルクを与える必要がありますが、ジャッキアップしてから車体が揺れると危険ですから、タイヤが接地している段階で、緩むことを確認しておきます。
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外したタイヤは車体の下に
ジャッキアップして作業するときには、可能な限り、リジットラックを使用しますが、支持点は狭く、ほんの1点だけで支えていますので、万が一ウマが外れると危険です。万が一のときのために、外したタイヤは、車体の下に入れておくと、ある程度リスクを回避することができまあす。
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後 輪
後輪をジャッキアップするときは、
リアデフにフロアジャッキを掛けます。
ウマは、ホーシング(車軸)か、
若しくはロアアーム前側に掛けます。
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前 輪
前輪をジャッキアップするときは、
クロスメンバーの中央にジャッキを掛けます
ウマは、ミッションメンバー左右にある
ジャッキアップポイントに掛けます。
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尚、ここではフロアジャッキ(ガレージジャッキ)の使用を前提に説明してきましたが、車載ジャッキを使用する場合は、リジットラック(ウマ)を掛けるよう説明したポイントにジャッキを掛けます。
この場合、後輪にはジャッキアップポイントが2箇所ありますから、ウマの使用が可能ですが、前輪は、ジャッキアップポイントが1箇所しかありませんので、車載ジャッキで持ち上げて、ウマを掛けることができません。よって、車載ジャッキでの作業は、パンクなどの際に、タイヤ交換する程度の、応急的な使用にとどめてください。
ジャッキのみで、車体の下にもぐることは危険です。
※デリカの4WD車は、フロントの駆動系(プロペラシャフトやデフ)が車体中央よりも左側を通っています。また、燃料タンクも左側にあるため、やや左重心になる傾向があります。
フロアジャッキで、車体中央をジャッキアップした際、左側が下がり気味になりますから、必要に応じて、車載ジャッキで補助しながら、車体が平らに上がるように気をつける必要があります。
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