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ボールジョイントの脱着は
テーパー部分をどう外すかがポイント
車齢11年を越えたガタピシに、いつまでも乗っていますが、老体ゆえのメンテナンスです。
フロントの足回りは、ダブルウイッシュボーンと言うサスペンション構造をしておりますが、アッパーアームのボールジョイントのメンテナンスを行いました。
昨年(2004年)春、ボールジョイント上部に、グリースアップ用のニップルを取り付けましたが
(平成6年〜7年前期までの初期モデルのみ可能です)、1年ぶりにグリースアップをしようと思い、タイヤを外してみましたが、ちょっと無残な状態でして…
ニップル取り付けのページ
取り外したボールジョイント
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ボールジョイントのブーツを固定している、ブーツバンドがなくなっており、ゴムブーツはめくれて、中のグリースがはみ出ております。 ブーツのみ手直しをしてやればいいのですが、ボールジョイントを取り外さないと、うまく施工できそうもないので、仕方がなく、分解作業に。
(作業実施時期:2006年5月)
<準備>
■ジャッキアップしてタイヤを外します。
ジャッキアップ作業する前に
作業手順
■ブレーキキャリパーを外して、吊っておいた方が作業がしやすいです。
ブレーキ関係のTOPページ
※キャリパーを外さなくても作業は可能
■ボールジョイントした側のナットを緩めます。割りピンが入っているので抜き、工具は24ミリです。かなりしっかり締まっていますが、完全に外さずに、緩めるだけにしておきます。
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■ボールジョイントは、アッパーアームの上に3本のボルトがあり、ナックル側に、ナットが1本あるだけなのですが、この、下のナットを外しても、ボールジョイント自体が、テーパー形状になっているため、プーラーがないと、取り外すことができない構造になっています。
■しかし、プーラーは持っていませんので、ハンマーで叩いて外します。
■なかなか慣れないため、要領を得ませんが、どうやら、ナックル後方から、かなり思いっきり、重量のあるハンマーで叩く必要がありそうです。
今回は、3ポンド(1.4キロ)の石頭(せっとう)ハンマーを使いました。
何回か、思いっきり叩くと、あるとき突然、ガコンと外れます。
■下のナットは、すべて外さずに、最後の2山くらい残しておきます。
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■ボールジョイントのテーパーが外れたら、残しておいたナットを取り外し、アッパーアームと、ロアアームの間を、車載ジャッキで押し広げて、ナックルから引き抜きます。
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■次に、アッパーアーム上から止めてある3本のボルトを外すと、アッパーアームのボールジョイントが外れます。 |
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■ボールジョイントと、ブーツの中の古いグリースをきれいにふき取って、グリースを詰めて、再度組み立てます。
◎今回は、耐荷重性に強い「モリブデングリース」を使用しました。
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■ブーツバンドがありませんので、代わりに、ステンレスの針金を二重にして締め付けました。
(あまり細いと切れる恐れがあります)
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■組み付けるときには、分解した逆の手順で組みつけていきますが、ロアアーム下から、ジャッキで押し上げていくとやりやすいです。
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■最後に、グリースガンで、グリースニップルから、グリースアップします。 (純正では、ニップルはついていません)
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施工後のフィーリングですが、多少、ハンドリングが軽くなったかな?いう程度ですが、この部分のグリースが流れ出てしまったり、水が溜まってしまう前に、予防整備的な意味合いですので、大きな変化は期待できません。
<追記>
ボールジョイントの錆付が原因で異音が発生している場合、きれいに錆を落として、グリースを入れ替えてやることで、異音が解消した事例があります。(異音対策の記事追加)
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フロントアッパーアーム ボールジョイントのグリースアップ
フロントアッパーアーム ボールジョイントの異音対策
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デリカのページ
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