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等速ジョイント部にグリースニップルがついている
デリカのような重量級のクロカン4WD車になると、足回りの各所にグリースアップ用のニップルがついている場合があります。最近のモデルでは、メンテナンス性よりも、水の浸入を防止するため、グリースニップルを廃止してしまう傾向にあるようですが、スペースギアの場合、前後のプロペラシャフトの、等速ジョイント部には、純正でニップルがついています。
定期的にメンテナンスしたり、或いは、渡河走行をした後の点検整備箇所としても、指定されています。
グリースガンが必要になりますが、比較的容易にグリースアップできる箇所なので、紹介します。
下の図は、メーカー発行の整備書のページをスキャンしたものです。
準備
プロペラシャフトの等速ジョイント部には、グリースニップルがついていますが、作業しやすい位置にプロペラシャフトを自由にまわすことができるよう、ジャッキアップします。
ジャッキアップの注意点
2WD状態で、輪止めを噛ませ、ニュートラルに入れて、サイドブレーキは解除して、ジャッキアップして、安全のためウマを使用。
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リアプロペラシャフト(後側)
後輪をジャッキアップして作業します。
リアデフの前側に、等速ジョイントがあります。グリースニップルは、ジョイントの内側にあるので、やや作業性が悪いのですが、ニップルを横向きにすると、先の長いグリースガンでも使用可能です。
できれば、フレキシブルホースを装着した方が、作業性はいいです。
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リアプロペラシャフト(前側)
トランスファーの後部に、ダイナミックダンパーがありますが、そのすぐ上に、等速ジョイントがあります。ここも、グリースニップルは、ジョイントの内側にあるので、やや作業性が悪いのですが、それほど難しくはありません。
グリースガンを2〜3回ポンピングすると、古いグリースが押し出されてきます。
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フロントプロペラシャフト(前側)
前輪をジャッキアップして作業します。
フロントデフの後部に、グリースニップルがあります。フロントのプロペラシャフトでは、グリースアップする箇所は1箇所のみ。等速ジョイントの、外側に、グリースニップルがついていますので、作業性はいいです。
グリースがはみ出したときには、多量の場合は拭き取っておいたほうがいいです。
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私のSGは、ショートボディのため、グリースアップ箇所は、この3箇所です。ロングボディのMT車の場合は、リアのプロペラシャフトの中間に、等速ジョイントがもう1箇所あります。
グリースについて
通称「シャーシーグリース」が使われています。耐久性、潤滑性に優れるため、回転部分に使用しても問題のないグリースです。成分的にリチウムグリースと思われますが、私は、モリブデングリース(リチウム系グリースに有機モリブデンを配合)を使用しました。耐荷重性、耐熱性に優れたグリースですが、回転部分に使用すると、ややフリクションロスが大きくなるといわれています。
とはいえ、プロペラシャフト自体は高速回転しますが、グリースアップするのは等速ジョイントで、回転運動ではなく、摺動箇所ですから、モリブデングリースを使用しても、不適合ではないと思います。
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