ノーマルデータを知ることで応用可能な範囲を検討する
スペースギア(SG)に乗っていると、社外のアルミホイールに交換したり、インチアップ、或いはサイズアップされたり、オーバーフェンダーを装着して、トレッドをワイド化させている人が多いようです。
このようにタイヤ・ホイールの仕様変更をすると、車体から外にはみ出してしまったりすることがありますが、こうなってしまうと、車検を通すことができなくなってしまいますので、タイヤが外にはみ出さずに、ギリギリの範囲で納まるのが、どの程度までなのかを知りたいところです。
もっとも手軽なのは、タイヤを購入するショップで相談するのがお勧めですが、なかなか、相談しづらい人もいるかもしれません。
そこで、タイヤショップの持っている参考データをもとに、計算する方法を紹介します。
※ここでは、BS社のAT694のタイヤデータをもとに計算しています。同一の表記サイズのタイヤでも、タイヤメーカーや銘柄により、若干の誤差があるので、あらかじめご了承願います。
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前期型・純正アルミホイールのデータ
改造するためのデータ作りの最初は、まずノーマル車のデータを知ることから。
<某タイヤメーカーの資料より>
デリカスペースギア
スーパーエクシード 4WD E−PD6W ’94.5
225/80R15
標準幅225
リム幅 6J
オフセット+33
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IN
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OUT
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F
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17
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13
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R
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66
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11
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この表の見方…ノーマル車の場合、フェンダーより前輪が13ミリ、後輪が11ミリ内側に入っていることを示している。
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前期型SGの純正アルミホイール
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同サイズのタイヤで社外アルミホイールに履き替える
(例)タイヤサイズは225/80R15 のまま、社外の15インチ、リム幅6J、オフセット+22のホイールに履かせる
※スターワゴン(SW)の純正アルミのサイズと同じです。
タイヤサイズは同じなので、
変わってくるのはホイールの
オフセットのみ
純正…+33
社外…+22
計算 33−22=11
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225/80R15
標準幅225
リム幅 6J
オフセット+22
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IN
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OUT
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F
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17+11
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13-11
|
R
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66+11
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11-11
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225/80R15
標準幅225
リム幅 6J
オフセット+22
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IN
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OUT
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F
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28
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2
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R
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77
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±0
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計算上、タイヤは外側に11ミリ出るので、前輪はフェンダーより2ミリ、後輪はほぼツライチの状態になる。
※同一の表記サイズのタイヤでも、タイヤメーカーや銘柄により、若干の誤差があるので、場合によっては、後輪がややはみ出す可能性もありますから、ご注意下さい。
タイヤサイズ・リム幅・オフセットともに変更する
(例)タイヤサイズは235/75R15 社外の15インチ、リム幅6.5J、オフセット+27の
ホイールを履かせる
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外径
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幅6J
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幅6.5J
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幅 225-236=-11 11ミリ幅増
12÷2=5.5 内側・外側それぞれ6ミリ
オフセット 33−27=6 外側に6ミリ
ゆえに、IN 6-6=±0
OUT 6+6=12 12ミリ外へ
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225/80R15
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742
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225
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230
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235/75R15
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736
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231
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236
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※ここでは、BS社のAT694のタイヤデータをもとに計算しています。同一の表記サイズのタイヤでも、タイヤメーカーや銘柄により、若干の誤差があるので、あらかじめご了承願います。
235/75R15
タイヤ実幅236
リム幅 6.5J
オフセット+27
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IN
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OUT
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F
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17±0
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13-12
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R
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66±0
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11-12
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↓
235/75R15
タイヤ実幅236
リム幅 6.5J
オフセット+27
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IN
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OUT
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F
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28
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1
|
R
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77
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-1
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タイヤ幅の増加分5.5ミリを、便宜上6ミリとして計算したので、計算上は後輪がフェンダーより1ミリ外側に出てしまうが、実用上は誤差の範囲で、タイヤ銘柄によっては、車検は問題なく通る場合もあるが、その逆もあるので、フェンダーより若干はみ出している場合は、フェンダー(厚さ10ミリ以内)にモールなどを貼り付けて車検を通す必要がある。
オーバーフェンダーを装着して大きめのタイヤを履かせたい
(例)タイヤサイズは30×9.5R15 社外の15インチ、リム幅7J、オフセット+10の
ホイールを履かせる
※パジェロの純正アルミに同サイズがあります。
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外径
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幅6J
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幅6.5J
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幅7J
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幅7.5J
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タイヤ幅 225-242=17
17÷2=8.5
タイヤは内外それぞれ
9ミリずつ広くなる
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225/80R15
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742
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225
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230
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30×9.5R15
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751
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237
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242
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247
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オフセット 33-10=23 タイヤは外側に23ミリ出る
タイヤ幅とオフセットの合計、IN 9-23=-14 外側に14ミリ
OUT 9+23=32 外側に32ミり
30×9.5R15
タイヤ実幅247
リム幅 7.5J
オフセット+10
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IN
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OUT
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F
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17+14
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13-32
|
R
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66+14
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11-32
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↓
30×9.5R15
タイヤ実幅247
リム幅 7.5J
オフセット+10
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IN
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OUT
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F
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31
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-19
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R
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80
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-21
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計算上は前輪がノーマルフェンダーよりも19ミリ外に出ることになり、後輪がフェンダーより21ミリ外側に出てしまう。
よって、前後とも30ミリのオーバーフェンダーを装着した場合は、タイヤが外側にはみ出す心配はありませんが、前30ミリ+後ろ20ミリのオーバーフェンダーでは、タイヤメーカーや銘柄によっては、ツライチギリギリか、微妙にはみ出す可能性もあります。
タイヤ幅の増加分8.5ミリを、便宜上9ミリとして計算したので、後輪は計算上1ミリ外に出ることになりますが、実用上、誤差の範囲で、問題ないとは思いますが、オーバーフェンダーのつくりによっては(メーカーや個体差)、若干怪しいところです。
また、タイヤの外径が大きくなっているので、ハンドルを切ったときに、前輪のホイールハウス内で干渉する恐れがある。できることなら、1〜2インチくらい車高を上げておいた方が無難かもしれない。
インチアップしてタイヤサイズも変更する
☆タイヤサイズは225/75R16 社外の16インチ、リム幅6.5J、オフセット+25の
ホイールを履かせる
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外径
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幅6J
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幅6.5J
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幅 225-229=-4 4ミリ幅増
4÷2=2 内側・外側それぞれ1ミリ
オフセット 33−25=8 外側に8ミリ
ゆえに、IN 1-8=-7 7ミリ外へ
OUT 1+8=9 9ミリ外へ
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225/80R15
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742
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225
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230
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225/75R16
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748
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224
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229
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※ここでは、BS社のAT694のタイヤデータをもとに計算しています。同一の表記サイズのタイヤでも、タイヤメーカーや銘柄により、若干の誤差があるので、あらかじめご了承願います。
235/75R15
タイヤ実幅236
リム幅 6.5J
オフセット+27
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IN
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OUT
|
F
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17+7
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13-9
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R
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66+7
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11-9
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↓
235/75R15
タイヤ実幅236
リム幅 6.5J
オフセット+27
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IN
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OUT
|
F
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24
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4
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R
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74
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2
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計算上は前輪がフェンダーより4ミリ中に入っていて、後輪が2ミリ中に入っているので、外側へのはみ出しはなく、ほぼツライチに近いが、安全圏。
タイヤ銘柄によって多少の誤差があるため、はみ出すことなく余裕の場合もあるし、フェンダーギリギリはみ出すか、はみ出さないかという微妙状態になることもあるが、計算上、OUTがマイナスにならなければ、車検は通る範囲と考えてよい。
外径も、純正サイズとの差が1cm以内なので、フェンダーへの干渉や、メーター誤差についても、殆ど気にする必要はない。
<総括>
SGに使用されている代表的なタイヤサイズについて、幾つか例をあげて計算してみましたが、この計算方法でわかるのは、ノーマルフェンダーから、はみ出す、はみ出さないという点だけです。
尚、後期型になると、年式やグレードで、フロントフェンダー内部のクリアランスが違いますので、前期型のデータで計算しても、当てはまらない場合があります。
タイヤの外形を大きくした場合、前後のクリアランスが狭くなりますから、幅方向の条件をクリアしても、実際にはフェンダー内部に干渉することもありますから、あくまで自己責任でお願いします。
SGの2WD車のホイールとの互換性はなし
スペースギアには、4WD車のほかに、2WDの設定がありますが、ホイールの互換性はありません。
SG純正ホイールとタイヤ
2 W D
■ホイール:6J−15インチ
オフセット +40
PCD:5穴-114.3 ハブ径約66mm ■タイヤ:215/65R15
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4 W D
■ホイール:6J−15インチ
オフセット +33
PCD:6穴-139.7 ハブ径約108mm ■タイヤ:225/80R15
(215/80R15)
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