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足回り整備ではタイロッドエンドを切り離す機会は多い
「タイロッド」 tie rod
タイロッドとは、操舵輪(主に前輪)をハンドル操作に合わせて左右に動かせるために、ステアリングギアボックスから車輪のナックルアームまでを結ぶロッド(棒)です。
タイロッドはターンバックル(全長調整式)になっており、これを調整することでアライメントのトーを調整することができます。
この、タイロッドを足回りのナックルに固定しているボールジョイント部分を、「タイロッドエンド」と呼びます。
足回りの整備では、タイロッドエンドを切り離す作業を伴う機会が多く、また、作業工程が多くなることから、ページ編集の都合上、タイロッドエンドの切り離し作業だけを、別ページとしてまとめました。
<タイロッドエンドの切り離しを伴う足回り整備の例>
・ステアリングラックブーツ(タイロッドベローズ)の交換
・ドライブシャフトブーツの交換
・ドライブシャフトASSY交換(脱着)
・ロアアームASSI交換(脱着)
・フロントデフASSY交換(脱着) など
勿論、タイロッドエンドその物を交換する場合もあります。ボールジョイントにガタツキがある場合は、交換時期かもしれません。
目安としては、ジャッキアップしてタイヤをゆすってみてガタがあれば注意
「縦方向」に動いたら「ハブベアリング」のガタ
「横方向」に動いたら「タイロッド」のガタ と言われています。
<準備>
■ジャッキアップしてタイヤを外します。 ジャッキアップ作業する前に
<作業手順> タイロッドエンドの切り離し
■タイロッドエンドのロックナットに挿してある割りピンを抜きます。
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■タイロッドエンドのロックナットを緩めます。使用工具は19ミリです。
※ロックナットは、外してしまわずに、2〜3山残しておきます。
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■タイロッドエンドのボールジョイントは、テーパー形状になっているので、そのままでは抜けません。
■タイロッドエンドプラーがない場合は、大きめのハンマーで叩いて、振動でテーパー部分を切り離します。
ナックルの側面(前側)から、叩いて衝撃を与えます。
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■ある程度、衝撃を与えると、その反動で、テーパー部分が緩むはずですが、うまく外れないときは、軽く、ロックナットのついている上からハンマーでたたいて見ます。
※勢いよく叩かないこと(ねじ山を痛めてしまうので注意)
上から軽く叩いて外れないときは、再度、側面から叩きます。
※前後からのあわせハンマーは効果があります。
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■テーパー部分が振動で緩んだら、ロックナットを外し、タイロッドエンドを、下方向に押し下げると、切り離すことができます。
※組み立てるときは、逆の順序で組むだけですが、テーパー形状になっている部分は、ロックナットを締めこむことで固定されます。
(割りピン用の穴の位置に注意)
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