■ジャッキアップしてタイヤを外します。
ジャッキアップ作業する前に
■前輪をジャッキアップするので、後輪に輪止めを掛けます。 (サイドブレーキを掛けることができるので、輪止めなしでも可)
■ジャッキアップする前に、前輪のホイールナットを緩めておきます。
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■ジャッキアップしたら、タイヤを外しますが、必ず、リジットラック(ウマ)を使用します。
■念のため、外したタイヤは、車体の下に入れておくといいでしょう。
※今回の作業では、ブレーキキャリパーは外しませんでした。
前回の作業
フロントアッパーアーム ボールジョイントの分解メンテ |

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■前回の作業では、ショック下のボルト・ナットを外さなかったために、アッパーアームとロアアームの間を押し広げる作業に手間取りましたが、今回は、ショックアブソーバーの下側のボルト・ナットを外して抜き取ります。
■工具は17ミリ。手が届きにくい場所ですから、エクステンションなどのソケットツールを駆使します。
■堅く固着して緩まない場合もありますので、そんなときは、工具を足で蹴ったり、鉄パイプで延長したりと、工夫します。
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■アッパーアームボールジョイント下側の、ロックナットの割ピンを外します。
■外した割りピンは、再使用しますので、できるだけ変形は避けたいところですが、結構、抜きづらいです。
■使用した工具は、プライヤー。
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■ボールジョイント下側のナットを緩めます。
■工具は24ミリです。かなりしっかり締まっていますが、完全に外さずに、緩めるだけにしておきます。
※ナットを全部外してしまっても、この状態では、ナックルからボールジョイントを引く抜くことはできません。
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■ボールジョイントと、ナックルを切り離します。
■ボールジョイントとナックルの接合部は、テーパー形状になっており、しっかりと固着していますので、3ポンド(約1.35kg)程度の重たいハンマーで、ナックル後方から、思いっきり殴ると、瞬間的にテーパー部分が変形して、ボールジョイントとナックルが分離されます。
※外したボールジョイントト・ブーツは再使用しますので、ボールジョイントプーラーは使用しません。プーラーを使うと、ブーツ部分を傷めてしまい、再使用できなくなります。
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■アッパーアームボールジョイントと、ナックルを切り離したら、ロックナット完全に緩めて外した後、車載ジャッキを利用して、アッパーアームと、ロアアームの間を押し広げます。
■ジャッキで押し広げていくと、ナックルから、ボールジョイントが抜けてきます。
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■次に、アッパーアーム上から止めてある3本のボルトを外すと、アッパーアームのボールジョイントが外れます。
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■3本のボルトが緩んだら、落下しないように片手でおさえながら、ボルトを外します。
■3本すべて外れたら、ボールジョイントが取り出せます。
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■ボールジョイントを取り外したら、ゴムブーツを取り外して、中の状態を点検。
■比較的新しいモリブデングリースを下から補充した痕跡はありますが、中のグリースは炭化してボロボロのグリースが少々と、ボールジョイント部分はすっかりグリース切れで、錆がひどい状態で固着しています。
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■まあ、これなら、こすれてひどい音がしても不思議ではないようです。 ■推測するに、購入先(中古で購入)で納車前に、きれいに下回りをスチーム洗浄されて、ブーツの下から注射筒のようなものでグリースアップされたのではないか? だけど、ボールジョイントまできちんとグリースが行き渡らなかったようで…
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■灯油で古いグリースや汚れをきれいに洗い流したあとで、ボールジョイントの錆を真鍮のワイヤーブラシでこすって錆落とし。
■見てわかるくらい、錆付による段付がありましたので、間違いなく、これが異音の犯人かなと。
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■ある程度スムーズに動くようになったところで、モリブデングリースを、入念に指でつけては押し込み、さらに動かしながらグリースを押し込み、ボールジョイントの奥まで行き渡らせます。
※使用するグリースは、リチウムグリースでもOKです。
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■ボールジョイントにグリースを詰めたら、ブーツを被せ、ブーツバンドで固定します。
■今回は、ブーツバンドがありませんでしたので、番線で代用しました。
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■分解した逆の手順で、元通り復元したら、最後にタイヤを装着して終了。 |

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インプレッション
■タイヤ装着後に、試運転してもらいましたが、あれだけひどい異音(回りの注目を浴びてしまうほどのギーキー音)が、ぴたりとやんだではありませんか!とりあえず、交換部品が届くまでの応急処置としては、成功です。
(アッパーだけなら、新品部品を組んだほうが作業的には短時間で終わります)
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