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車両を乗り換えた最初の冬は冷却水濃度に注意!
週末に岐阜県の奥飛騨(平湯温泉)で行われた「かまくらオフ」(幹事:スパギアさん)に 参加して来ました。 先月から屋根の板金修理のために入院させていた2号車(拾萬円号)が、前日に退院して きましたので、取り急ぎ、寒冷地へ出かけるための身支度をしました。
車両本体10万円で、買ってきたというよりも、拾ってきた感覚に近い2号車(拾萬円号)ですが、各所の不調箇所を順に手直しをしながら再生してきました。
ラジエターの冷却水(LLC)については、サーモスタット交換や、不足分を補充した程度で、全量交換していませんので、果たしてこのままオフ会へ出かけてよいものか?? 温暖な静岡県で使われてきた車ですし、前オーナーがどの程度メンテしていたのかは、まったく不明。
とりあえず、手元に在庫していたロングライフクーラント(LLC)が1本(2リットル)ありましたので、濃度の調整をしてから出かけようと。
(作業実施時期:2008年2月)
第1段階 ラジエターのドレンプラグを緩めてLLCを抜き取る
※エンジン停止直後は高温になっていますので、
ある程度冷ましてからの作業となります。
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(1)フロントのアンダーガードカバーを外します。一番手前の黒い樹脂カバーだけでOK
バンパー側は(+)ドライバーで3箇所のクリップを外します。
奥側は、2枚目のアンダーガード(鉄板)と共締めされているので、14ミリの工具でボルトを外します。(年式によっては、工具サイズが17ミリになります)
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(2)ラジエターの下、運転席側にドレンプラグがあります。ロアホースのすぐ隣です。
ドレンプラグ(蝶ネジ)を緩めて、バケツなどで排出されたLLCを受けます。
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(3)ドレンプラグ(蝶ネジ)を緩めて、バケツなどで排出されたLLCを受けます。
※
2800DT車では、冷却水の全容量が約11リットルとなっていますが、ラジエターのドレンから排出できるのはおよそ半分弱。5リットル程度のLLCが排出されますので、大きめのバケツなどを用意する必要があります。 |
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(4)コンデンスタンク上にあるラジエターキャップを外します。高温になったLLCが十分に冷めていないと、キャップを緩めた直後に熱いLLCの蒸気が噴出しますので、火傷に注意して作業します。タオルやウエスで手を保護してあげるとよいでしょう。
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第2段階 抜いたLLCの濃度測定
(1)
ラジエターから抜き取ったLLC(ロングライフクーラント)の濃度を測定します。 LLCの主成分は、エチレングリコールで、比重は1.1135(20℃)と、水よりも重たいので、比重を測ることで、LLCのおおよその濃度を知ることができます。 |
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(2)
LLCの比重を測定するためには、比重計を使用しますが、比重計は、精度の要求される分析器具ですので、非常に高価なものです。 測定範囲が1.000〜1.200までの物を使用します。 |
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(3)
LLCの比重は液温により微妙に変化するので、測る温度により、誤差が生じます。 温度による比重の補正データもありますが、詳細がわかりませんので、できることなら、20℃まで温度を下げてから測定した方がよいでしょう。(冬場はすぐに温度が下がります) |
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2号車(拾萬円号)から排出したLLCは、20℃での比重が1.034でした。 見た目は透き通ったグリーンで、錆や汚れなどはありませんでしたので、交換履歴はあると思われますが、かなり濃度が薄いです。22〜25%程度。マイナス10度まで耐えることはできそうにありません。
通常、国内の温暖な地域で使用されている車でも、30%程度には調整されているはず。 私が所有するようになってからは、コンデンスタンクの交換や、サーモスタッドを交換しておりまして、その都度排出したLLCは、適正濃度の新液を補充していますので、この車の場合は、前オーナ時代、LLCの不足分を水だけ補充していた可能性もあります。 このまま奥飛騨へ出かけたとすれば、間違いなく、朝までに冷却水が凍結して、体積が膨張した結果、ラジエターがパンクするのは、必至でしょう。
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第3段階 LLCの補充とエアー抜き
■今回使用したのは、濃度90〜92%のLLC原液が2リットルのみ。 |
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LLCの濃度がこれだけ薄いと、LLC原液のまま補充しても、原液が2リットルしかありませんので、奥飛騨で一夜明かすには、必要最低限の濃度にしか至らないのですが、やむを得ません。
●総量11リットルのうち、90%原液2リットル分が入れ替わった場合の変更後濃度 11リットル − 2リットル = 9リットル 9リットル × 22% = エチレングリコール1.98kg 2リットル × 90% = エチレングリコール1.8kg 1.98kg + 1.8kg = 3.78kg 3.78kg ÷ 11リットル = 34.36% ※濃度計算には、安全を見越して誤差の範囲の低い方の数値を計算しているので、実際には35%以上はあるものと思われます。 |
■補充する前に、ラジエターのドレンプラグを締めます。
(1)最初に、LLCの原液(90〜92%)をコンデンスタンクから投入します。
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(2)次に、抜き取ったLLC(22〜25%)をタンクから溢れない程度に入れます。 |
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(3)ラジエターキャップは開放したままエンジンを始動して、ヒーターを全開にします。 |
(4)エアー抜き用のプラグを外します。
工具サイズは12ミリ。
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(5)コンデンスタンク内からエアーがボコボコ噴出してきたら、LLCが吸い込まれていきますので、減った分だけ補充してやります。
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(6)10〜30分程度アイドリングを継続すると、エアー抜きが終了しますので、水位を適正レベルの範囲に調整します。 |
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(7)ラジエターキャップ、エアー抜きプラグを締めます。樹脂製のプラグは、締めすぎると 破損する可能性がありますので、締めすぎに注意。
(8)アンダーガードカバーを元に戻して、作業終了。 |
希望としては、氷点下20度でも安全な濃度まで調整したいのですが、準備不足ということもあり、今回は我慢。一応、氷点下15度くらいまでは安全に使用できると思います。
かまくらオフ2日目の朝の外気温は、氷点下11度まで冷え込みましたが、特に問題なく、エンジンは一発始動。ラジエターのパンクや冷却水の漏れもなく、ヒーターの効き具合も特に不具合はありませんでした。
冷却水の濃度と交換の目安
LLC交換
冷却水のエアー抜き
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