狭いボンネット内に押し込まれたバッテリー
スペースギア(SG)のバッテリーは、狭いボンネットの左側(助手席側)に押し込まれるように搭載されています。
私のSGは、2800DTのシングルバッテリー(1基)ですから、新車時に搭載のバッテリーは、「95D31R」が搭載されています。
同じSGでも、ガソリン車や、同じエンジンであっても、寒冷地仕様になると、ツインバッテリー(2基)搭載になったりしますので、年式や型式によって仕様は異なるのですが、基本的に、どのモデルのSGでも、バッテリーの搭載されている位置はほぼ同じです。
最近の自動車用バッテリーは、メンテナンスフリー(MF)型の密閉式のバッテリーが多いのですが、平成7年式のSGに新車時に搭載されたバッテリーは、開放型のバッテリーで、定期的なメンテナンスを必要とします。
私のSGには、3個目のバッテリーとなりますが、容量アップした115D31Rの開放型のバッテリーを積んでいます。
バッテリーチェック(バッテリーを車載の状態で点検する)
基本的に、バッテリーの電圧チェックの方法は、開放型、MF型(メンテナンスフリー)共通です。
アイドリング中の電圧
・エンジンをアイドリング中は、オルタネーター(発電機)が回っているので、バッテリー端子間の電圧を測定すると、14V以上あるのが普通。もし、アイドリング中の電圧が13V程度しかなかったら、発電量が不足していることになる。
・発電量不足の場合は、オルタネーターの不良が考えられる。
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エンジン停止時の電圧
・エンジンを止めると、発電は中止されるから、バッテリー単体の電圧に戻る。
・通称、12Vバッテリーだが、実際の電圧は、13V以上あるのが正常。満充電されていれば、13.5Vくらいはあるはず。
・いくら充電しても13.0Vを下回ってしまうようだと、そろそろバッテリーの寿命かもしれない。
・12.0Vを下回ると、エンジンが再始動できない場合もあるので早めに交換したい。
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比重を測定する
・この点検は開放型のバッテリーのみ。
※MF型(密閉式)のバッテリーには、簡易的な比重計を使った、バッテリーインジケーターが内蔵されているものが多い。
・基本的には、6箇所あるセルごとに誤差があるので、すべてのセルを調べるのだが、車載でチェックするときは、一番奥のほうのセルは機器が届かないこともある。
・整備書によれば、バッテリー液の液温が20℃のとき、比重が1.22〜1.29の範囲にあればよいとされている。
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比重は温度により変化する
バッテリーの充電状態を知るためには、電解液の比重を測定します。電解液の比重はスポイト式の吸込式比重計を使用して測定できます。カー用品店や、ホームセンターで500〜1000円程度で売っています。
バッテリー上部の液口栓を外し、スポイトで電解液を吸入します。するとスポイトの中のガラスの筒の中に浮子式の比重計計があって、電解液の比重を示します。
比重を測定し、比重が1.220(20℃)以下の時は完全充電したほうがいいです。
1.280なら満充電と思っていいと思います。
電解液の比重は20℃を標準としていますが、温度が高いと体積が膨張して比重が低く、温度が低いと体積が収縮して比重が高く表れます。
比重の変化の割合は、1℃で0.0007ですから、正確な比重を知るためには、計算する必要があります。
しかし、その都度計算するのは面倒なので、表計算ソフトで早見表を作成しました。
液温 |
下限 |
← |
標準 |
→ |
上限 |
0℃ |
1.2340 |
1.2540 |
1.2740 |
1.2940 |
1.3140 |
5℃ |
1.2305 |
1.2505 |
1.2705 |
1.2905 |
1.3105 |
10℃ |
1.2270 |
1.2470 |
1.2670 |
1.2870 |
1.3070 |
15℃ |
1.2235 |
1.2435 |
1.2635 |
1.2835 |
1.3035 |
20℃ |
1.2200 |
1.2400 |
1.2600 |
1.2800 |
1.3000 |
25℃ |
1.2165 |
1.2365 |
1.2565 |
1.2765 |
1.2965 |
30℃ |
1.2130 |
1.2330 |
1.2530 |
1.2730 |
1.2930 |
35℃ |
1.2095 |
1.2295 |
1.2495 |
1.2695 |
1.2895 |
40℃ |
1.2060 |
1.2260 |
1.2460 |
1.2660 |
1.2860 |
45℃ |
1.2025 |
1.2225 |
1.2425 |
1.2625 |
1.2825 |
50℃ |
1.1990 |
1.2190 |
1.2390 |
1.2590 |
1.2790 |
※この表は、標準的な、比重1.260(20℃)のバッテリーに適用します。
一部特殊なものについては、当てはまらない場合があります。
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バッテリーの補水(開放型バッテリーのみ)
バッテリーの位置
ボンネットを開けて左側(助手席側)に、インタークーラーとラジエターコンデンスタンクの間に搭載されている。(2800DTY/シングルバッテリーの場合)
バッテリーホルダを取り外す
・10ミリの工具があれば簡単に取り外すことができるが、ボルトの頭が長く飛び出しているので、10ミリのラチェットメガネがあると便利。
バッテリー端子を外す
・工具は10ミリを使用するが、工具の入る隙間が狭く、ラチェットは入らない。両口スパナを使用。
・バッテリー端子を外すときは、(−)側から外すのが基本。
※取り付けるときは(+)からつなぐ。
※端子の取り付け部に緩みがないこと、
端子の周りに白い結晶が付着しているときは、ワイヤーブラシなどできれいに落としてから取り付ける。
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バッテリーの液面
・バッテリーを取り出したら、バッテリー液のレベルが、規定の範囲(上限と下限の間)にあるかどうかを確認する。
・最近のバッテリーは、中の液面が、ケースの外側から目視でわからないものが多いため、セルの蓋を開けて、上からのぞかなければわからないものもある。
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バッテリー液の補充
・バッテリーの給水口(セルの蓋)を開けて中をのぞいて、中の極板が液面より上に現れていなければ、OK。もし、液面が下がりすぎて、極板が外に出ていたら、そのバッテリーは著しく寿命を縮めてしまっていることになる。
・補水するのは、市販のバッテリー補充液。バッテリー電解液は希硫酸だが、補充液は、単なる精製水。水分だけが電気分解されて減少しているだけなので、精製水を補充するのが基本。(水道水はできるだけ避けたほうがいい! 井戸水のような硬水はカルシウム塩などが結晶化して悪影響を及ぼす可能性大)
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バッテリー交換の目安
下記に該当する項目があったら、既に交換時期が訪れていると考えた方がいいでしょう。
・バッテリー液の減りが激しい。
・バッテリー液の減りが各セルで偏っている。
・バッテリー液は十分入っているのにセルモーターの廻りが悪い。
・バッテリー液は十分入っているのにライトが暗い。
・充電しても比重が上がらない。
・長期間、車を使用していない。
・過去に、何度かバッテリーあがりの経験がある。
次回、もうエンジンがかからないかも知れません!?ご注意下さい!!!
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